10月1日から施行された
「生食用食肉 (牛肉)」の新しい基準の対象となるのは、
厚生労働省が9月28日に発出した
「生食用食肉(牛肉)の規格基準設定に関するQ&A」を参照すると、
ユッケ、タルタルステーキ、牛刺し及び牛タタキ
だそうです。
※私が住む岐阜県の担当部局は、
牛肉の片面を炙った 「炙り (あぶり)」も対象になると説明しています。
では、
「生食用食肉 (牛肉)」の対象となる
タルタルステーキとはどんなステーキなのでしょうか?
まず、
「山本直文 フランス料理用語辞典」で
「タルタルステーキ」を調べてみました。
牛又は馬の赤身のひき肉にカイエーヌペッパー、タバスコ、ウスターソース、塩、こしょうを混ぜて円形にし、中央に生の卵黄、周りにみじん切りした玉ねぎ、パセリ、エシャロット及びケッパーを付け合わせた冷製料理。
となっています。
文字の説明では
わかりにくいですね。
それでは、
「タルタルステーキ」の写真を見てみましょう。
フランス・リヨンにある
体育館サイズのブラッスリー「Braserie GEORGES 」で
2006年7月4日に試した 「タルタルステーキ」です。
Le Fameux Steak Tartare Charolais
et ses condiments, préparés devant vous, Pommes Frites et Salade Verte
Fully Seasoned Steak Tartar – prepared at your table
– Served with Green Salad and French Fries
シャロレー牛のタルタルステーキが
テーブルサービスで提供されました。
~ タバスコを使ったので驚きました (写真の左上にタバスコの容器が写っています)。
いろいろな香辛料、調味料を使って
調味された牛肉料理ですね。
次に、
「世界たべもの起源事典」で
「ユッケ」の起源を調べてみました。
生牛肉の朝鮮料理。ユック (肉)とフェ (刺身)が重なり、ユッケ (肉膾)と呼ばれる。夏の冷たい料理として好まれる。中国北部の騎馬民族韃靼 (異名、タルタル)好みの生肉料理の調味法が東西に広がり、タルタルステーキやユッケとして伝えられる。・・・以下省略・・・
とあります。
中国北部発祥の料理が、
ヨーロッパと東アジアを経て
それぞれタルタルステーキ、そしてユッケとして
日本へ伝播されたと考えると、
肉の生食の歴史を感じます。
いや、
伝播ではなく
単なる流行なのかもしれません。
玉村豊男さんは 「食卓は学校である」の中で
次のように書いています。
現代の圧倒的な情報量と自在な物流の発展は、食の伝播、という概念を、食の流行、という現象に変えてしまったのかもしれません。 長い時間をかけて運ばれたものが、長い時間をかけて受容され、定着する・・・という現象を伝播と呼ぶのだとすれば、現物が届く前に情報があり、情報を追ってすぐに現物が目の前にあらわれる現代では、すべてが一過性の流行になってしまうのでしょうか。
いずれにしても、
「生食用食肉 (牛肉)」の販売に係る今回の規制強化で、
タルタルステーキ、ユッケを喫食する機会は今後、
非常に限られてしまうと思われます。

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