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全ての加工食品対象の「重量割合上位1位の原材料原産地表示」義務化へ〕

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消費者庁と農林水産省の共催で設置された
「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」は、
2016年1月から11月にかけて合計10回の検討会を行い、
加工食品の原料原産地表示の拡大に向けた具体的な方策を検討しました。

その結果として、
「加工食品の原料原産地表示制度に 関する検討会中間取りまとめ」
(表紙・目次含め33ページ、以下「中間とりまとめ」)が
2016年11月29日に消費者庁と農林水産省から公表されました。

※検討会で配布された資料、議事録、「中間とりまとめ」などは、
消費者庁と農林水産省のURLに載っています。

■消費者庁ホームページ(加工食品の原料原産地制度に関する検討会)
  http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/kakousyokuhin_kentoukai.html
■農林水産省ホームページ(加工食品の原料原産地制度に関する検討会)
  http://www.maff.go.jp/j/syouan/hyoji/gen_gen_hyouji.html

「中間取りまとめ」を読むと、
義務表示の対象について次の通り明記されています。

義務表示の対象となる加工食品及び原材料について、全ての加工食品について、重量割合上位1位の原材料の原産地を義務表示の対象とする。(「中間取りまとめ」11ページより引用)


全ての加工食品について
重量割合上位1位だけを原料原産地表示の対象としたことについて
「中間とりまとめ」は次のように説明しています。

消費者への情報提供の観点からはできるだけ多くの原材料を義務表示の対象とすることが望ましく、製品に占める重量割合が上位2位、3位までの原材料を対象とすべきとの意見があったが、事業者の実行可能性も勘案し、製品に占める重量割合上位1位の原材料を義務表示の対象とすることが適当である。(「中間取りまとめ」11ページより引用)





さて、
全ての加工食品を対象に
重量割合上位1位の原材料の原産地表示が義務化された場合、
どんな原材料の原産地がわかるようになるのでしょうか?

現在市販されている加工食品の食品表示を
具体的に見てましょう。

最初は、
ハウス食品のレトルトカレー「咖喱屋チキンカレー」です。

170114ハウス「咖喱屋チキンカレー」①、表面 (コピー).JPG
~ 表面、商品名に「チキン(鶏肉)」が含まれています。

170114ハウス「咖喱屋チキンカレー」②、裏面 (コピー).JPG
~ 裏面の一括表示欄、「チキン(鶏肉)」は重量割合上位1位ではないので、
義務化になっても表示する必要はありません。

次は、
はごろもフーズの「つぶあん好きのぜんざい」です。

170108はごろもフーズぜんざい① (コピー).JPG
~ 表面、「北海道十勝産あずき使用」と強調表示されています(任意表示)。

170108はごろもフーズぜんざい② (コピー).JPG
~ 裏面の一括表示欄、重量割合上位1位の原材料は「砂糖」。
義務化されると「砂糖」の原産地を表示する必要があります。

「中間取りまとめ」の11ページを参照すると、
次の記載があります。

なお、事業者が自主的に重量割合上位2位以降の原材料についても、原料原産地表示を行うことを妨げない制度とすることが適当である。 (「中間とりまとめ」11ページより引用)


続いて、
ロッテの「ラミー」。

170114ロッテ「ラミー」①、表面 (コピー).JPG

170114ロッテ「ラミー」②、裏面 (コピー).JPG
~ 裏面の一括表示欄、重量割合上位1位の原材料は「砂糖」です。

次は、
井村屋の「大納言どらやき」です。

170114井村屋「大納言どらやき」①、表面 (コピー).JPG
~ 表面、「三重県産あやひかりの小麦粉、北海道産大納言小豆」 使用と
強調表示されています(任意表示)。

170114井村屋「大納言どらやき」②、裏面 (コピー).JPG
~ 裏面の一括表示欄、重量割合上位1位の原材料は「砂糖」なので、
義務化されると「砂糖」の原産地表示が必要になります。

最後に、
トップバリュベストプライス「カレー」です。

170114トップバリュベストプライス「カレー」①、表面 (コピー).JPG

このレトルトカレーの食品表示で注目していただきたいのは、
一括表示欄ではなく、製造地を示す任意表示です。

170114トップバリュベストプライス「カレー」②、裏面 (コピー).JPG

任意表示の「三重県の工場で作っています。」は、
消費者が知りたい「安心」(信頼性)に関する表示だと思います。

なお、
重量割合上位1位の原材料の原産地の方法は、
「中間とりまとめ」12ページを参照すると次の記載があります。

「国別重量順表示」を原則とする。ただし、「国別重量順表示」が難 しい場合には、消費者の誤認を防止するための方法を明確にした上で、 例外の表示を認める。 (「中間とりまとめ」12ページより引用)


「国別重量順表示」が原則ですが、
次の4つの例外表示が認められています。
 1.可能性表示
 2.大括り表示(「輸入」表示)
 3.大括り表示+可能性表示
 4.中間加工原材料の製造地表示

これらの4つの例外表示についてこの記事では取り上げませんが、
例外表示にご興味がある方は、
次のURLに載っている「中間とりまとめ」(pdfファイル)をご覧ください。

■消費者庁ホームページ(加工食品の原料原産地制度に関する検討会)
  http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/kakousyokuhin_kentoukai.html
■農林水産省ホームページ(加工食品の原料原産地制度に関する検討会)
  http://www.maff.go.jp/j/syouan/hyoji/gen_gen_hyouji.html





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