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Channel: 「行ってきました」シリーズ
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「寒天」、脇役ですが、和菓子にとってなくてはならない原材料です。

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小豆、米(道明寺粉、寒梅粉、餅粉、白玉粉など)、
大豆、砂糖、葛粉、薯蕷、寒天など、
和菓子に使用される原材料のほとんどが植物性です。

和菓子といえば主役は餡、
餡は小豆と砂糖が使われます。

白餡には、
手亡豆、白小豆、福白金時などが使われます。

大豆は、炒って挽くと
きな粉になります。

主役ではありませんが、
和菓子の原材料としてなくてはならないのが、寒天です。

寒天は、
江戸時代に心太(ところてん)を冬の屋外に放置しておいたら、
乾燥して乾物なっていたことから偶然に発見されたと言われています。

寒天の発見で、
誕生したのが練羊羹(それまでは蒸羊羹)です。

140813とらや①、小型羊羹 (コピー).JPG
~ とらやの小型羊羹(左側2箱)、両口屋是清の「ささらがた」(右側2箱)。

140813とらや②、小型羊羹裏面 (コピー).JPG
~ とらやの小型羊羹の裏面、原材料名欄に「寒天」が記載されています。


和菓子ものがたり (朝日文庫)

和菓子ものがたり (朝日文庫)

  • 作者: 中山 圭子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 文庫


  

さて寒天には、
角寒天と糸寒天(細寒天)がありますが、
和菓子の原材料として使用されるのは糸寒天(細寒天)です。

120118山岡産細寒天 (コピー).JPG
~ 岐阜県恵那市山岡町産の「山岡の細寒天」です。

次の写真をご覧ください。

糸寒天(細寒天)の一大産地として知られる
岐阜県恵那市山岡町の冬の風物詩、寒天干しです。

120126恵那山岡、寒天③ (コピー).JPG

「山岡の細寒天」(天然寒天)は、
海藻の天草を煮溶かして作った心太(ところてん)を、
ところてん突き器を使って心太状に突き出し、
台の上に並べ、(凍結と融解を繰り返して)乾燥させて出来上がります。

131204寒天研究所②、ところてん突き器 (コピー).JPG

※ところてん突き器は、恵那市山岡町にある岐阜県産業技術センター寒天研究室で
 2013年12月4日に撮影したものです。

131204寒天研究所③、ところてん突き器 (コピー).JPG

それでは、
寒天を使った和菓子をご覧ください。

「虎屋菓寮 京都一条店」のあんみつ、
宝石箱の様な虎屋らしいあんみつです。

120130京都一条菓寮③、あんみつ.JPG
~ 餡は漉し餡。(寒天を使った)黒琥珀・琥珀羹・水羊羹などが添えられています。

120130京都一条菓寮④、あんみつ.JPG
~ 黒みつの他に、白みつを選ぶことができます。

寒天を煮溶かし、砂糖を加えたものを
錦玉(きんぎょく)と呼びます。

140716甘楽花子③、水車 (コピー).JPG
~ 青く色づけした白餡を波包丁で切った錦玉で巻いてあります。

140812甘楽花子② (コピー).JPG
~ そぼろの代わりに、さいの目に刻んだ錦玉が餡玉につけられています。





  






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