12月7日(土曜日)午後1時過ぎに、
「京都市勧業館みやこめっせ」へ行ってきました。
公益財団法人京都伝統産業交流センターが主催したセミナー
京のお菓子とお正月
を受講するためです。
講師は、
京菓子に関する著書が多数あり、
大学などで講師も務められている
亀屋末富(「末富」)の3代目当主(株式会社末富社長)の山口富蔵さん。
亀末広で修行した初代が
明治26(1893)年に創業した「末富」の代表銘菓は
麩焼きの間に梅肉糖をはさんだ「うすべに」ですが、
「末富」ブルーの包装紙でも知られています。
~ 12月7日(土曜日)の午前中、「末富」本店(京都市下京区松原通室町東入ル南側)で、小判型をした麩焼煎餅「両判」と「うすべに」を買いました。
さて、
京都のお正月のお菓子といえば、
干支菓子、吉祥菓子、御題菓子だそうです。
そして今、
お正月にはなくてはならないお菓子となったのが、
「花びら餅」(葩餅とも)。
~ 2013年1月12日に名古屋・栄の御菓子所「両口屋是清 栄店」で食べた「花びら餅」です。
山口富蔵さんによると、
「花びら餅」は京菓子屋にとって、
1月7日頃まで売れるからとてもありがたい(?)御菓子だそうです。
「花びら餅」は山口富蔵さんの配布資料によると、
裏千家11代玄々斎(1810~1877年)が拝領した「葩餅(はなびらもち)」を家の誉れとして伝えるため川端道喜と相談工夫して、有職の餅を「茶菓子」にしたもの、明治10年頃といわれている。
だそうです。
「花びら餅」は、
全国の和菓子屋などで正月のお菓子として売られていますが、
中には紅色の菱餅、味噌餡、やわらかく煮た二本の牛蒡を
別々に包装した「花びら餅」3点セットもでているそうです。
山口富蔵さんは、
これはいかがなものかと疑問を呈されていました。
京都の和菓子、京菓子は、
おやつ(お菓子)でもスイーツでもない、
高度の文化性がある御菓子(おんかし)。
明治の東京遷都は京菓子にとって最大の危機、
その時代に御粽司川端道喜によって
裏千家の初釜の「茶菓子」として創製された「花びら餅」(菱葩餅)。
形だけを模した「花びら餅」、
京都の和菓子、京菓子ではないという
山口富蔵さんの強いメッセージでした。
☆ 京都伝統産業ふれあい館セミナー「京のお菓子とお正月」
(京都市勧業館みやこめっせ地下1階特別展示場B)
☆ 2013年12月7日(土曜日)午後2時~3時